第8回 生物から見た世界
全4回
【8-1】生物が感じる世界 - ダニはどのように環境を認識しているか?【生物からみた世界】
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【8-2】時間とは瞬間の連なり - 人間における一瞬は何秒?【生物からみた世界】
【8-3】生物における目的と設計 - 動物は目的を持って行動しているか?【生物からみた世界】
【8-4】環境問題と環世界 - 人間は他の動物の環世界を考慮可能か?【生物からみた世界】
本の紹介
生物から見た世界
著者 : ヤーコプ・フォン・ユクスキュル
エストニア出身のドイツの生物学者・哲学者
日高敏隆さんは、WW2の最中の部屋でこの本を見つけたらしい
環世界とは何か
生物は機械か?
外界からの刺激に対して特定の反応でただ返すだけで、それ以上に何もないと考えるなら機械。
生理学者は、そのように生物を単なる自然環境における客体として捉え、その構造を理解しようとする。
環世界は、そのようには考えない。生物はそれぞれが主体であり、環境の中に生きるのではなく、それぞれがもつ環世界に生きている。
その中では、機械として以上の構造によって生存している。
機械操作係の存在を認めるという立場
明確に環境と環世界は異なる。
環境とは完全に共通な外部環境のことであり、これはある種の唯物論的な考え方に近い。
一方で環世界とは、自らが環境をどう捉え、その中でどう生きているか、という生物それぞれが把握した世界そのもの
ダニの環世界
ダニは、森で枝とかで哺乳類を待ち伏せして乗っかったりしてそこから吸血する。
この時、酪酸に対する嗅覚、℃37を感じ取れる触覚、体毛のな少ない皮膚組織をを感じられる触覚の3つのシグナルが連続してくることで行動を決定している。
これさえあれば対象が血を持っていなくても、哺乳類でなくても、見た目がどんなにおかしくても行動は変わらない。
つまり人間が思うような待ち伏せをしているわけでもなければ、人間とは異なった世界の捉え方をしている。
人間、犬、ハエの間でも、部屋の中のものの捉え方というか、見え方は全く異なる。
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機能環、環世界でみた生物の構造
ヨハネスミュラーが、筋肉はあらゆる外的干渉も収縮という形で反応する、といった、生理学の研究
外部作用は全て光感覚を呼び起こす、同じ近く記号で答える
到達する作用や知覚ごとに記号を持っている。それぞれが機械操作係
秩序のために脳細胞があり、半分が知覚細胞群で、それぞれの部分は外部作用の種類ごとに領域が分かれている。
もう半分は作用細胞群。
知覚機関は休んでもいい場所?獨立してる?謎
知覚機関の外で集まり、それが客体の特性にになる。いろんな知覚が合わさって、それを総合して客体の特性を捉える。
作用機関においても、場所ごとに分かれており、それが連動して、主体の外にある客体に作用標識を刻む、ダニが噛んだ後とか。
作用標識が知覚標識を消去する?
機能環
動物ごとに異なる機能環をを持っており、単純なものから複雑なものまで様々。
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知覚器官が反応して作用したら、次の知覚器官作動する。つまり前のやつは消される。
ダニのロジックと、ダニが18年間待てること。
時間の認識
環世界というのは空間認識だけではなく、時間という概念にも適用される。
人間の一瞬。
生物としての主体なしに時空間は存在しないということがわかる。ダニの年数からも。
これはカントの学説を自然科学的に実証するもの
時間に関しても同じ.
人間は全ての感覚期間において18
より細かい動きを知るためには、高速撮影する。
人間より早い50の魚もいる。そういう魚は、低速再生に見えるんだろう。
逆にカタツムリは4で、こうなると周りの世界は早すぎるし、自分のことを遅いとも思わない。
秒数を数えることを考えれば、低速、高速はわかる。
これが生物ごとのかんせかいにおける時間なのだろう。
形と運動の区別
形と運動を区別できるのは高等生物だけ。
基本的に形と運動が両方あって初めて獲物として認識できる。つまり知覚標識として、形や運動単体では存在しない。
だからこくまるガラスは飛び跳ねたキリギリスにしか気づけない。
だからこそ、死んだふりは極めて有効。
ダーウィンはミミズが形を認識してると言ったが、そうではなかった。
ミツバチは形を認識してる。
目的と設計
目的を持っているという感覚は基本的に間違っている。ダニが待ち伏せている、という表現は誤り。
哺乳類は別として基本的に単純な生物には目的というものはない。もはやそれは器官にあらかじめ生物として組み込まれている。
昆虫だけの話ではない。
メンドリにおいても同じで、子を助ける親みたいなものは、子を守るという目的があるわけではなく、ひなが泣いていると、そこに行って敵を叩くという作用を呼び出す、だけ。
ショーケースにいれてひなの声を聞こえなくしたら、同じ状況でも親は反応しない、つまりこれによって機能間の連鎖が遮断されているのだ。
黒い子がいた場合には助けを呼んだら叩かれた。
ホースコーチングやってみたい
人間と環世界
人間においても環世界を捉えられる。
鐘の話とか、机の上にある新しいボトルとか。いうても気づかないよね。紙幣が立っている時も。
環世界と事物の関係付
探索トーンによって知覚標識がかわる。
エーテル派って話出てくるな。
生物自身が体験を組み合わせることで、探索トーンや故郷の概念が形成される。
これは単純な外部刺激起因の機能官では説明できないし、完全に主体的な活動と言える。
これが膨らむと魔術的な環世界が作られる。
民族や子供など。
人間でも柏の木への反応からわかるように、何を考えてるか、によってみたものの捉え方は全く異なる。
環境問題などで環境というときは、誰に対する環世界なのか、を考えなければならない。たんに人間の環世界だけを捉えても我々の範囲を広げることにはならない。